ディスプレイオーディオを選ぶときって、どうしても「新しいモデル」や「大画面」に目が行きますよね。最近は9インチや10インチクラスのモデルも増えていて、画面が大きいだけでなんとなく魅力的に見えてきます。でも、カーオーディオの音質を重視するなら、必ずしも最新モデルが正解とは限りません。
今回紹介するカロッツェリア DMH-SZ700 は、2020年5月に発売された6.78V型のディスプレイオーディオです。2026年現在では、もう発売から6年。さすがに「最新モデルです」とは言えません。それでも自分がこのモデルを今でも気に入っている理由は、音質に関する機能がかなり充実しているからです。ハイレゾ音源の再生に対応しているのはもちろん、3ウェイのネットワークモードを搭載。しかも、内蔵アンプだけでツイーター、ミッドウーファー、サブウーファーを個別に鳴らして調整できます。つまり、大画面や最新機能より「音をどう作るか」を重視するなら、今でも十分に面白いモデルなんです。
今回は、自分が思うDMH-SZ700の魅力と、逆に「ここはちょっと古いな」と感じるところをまとめてみます。
carrozzeria(カロッツェリア)DMH-SZ700の基本スペック
まずは簡単にDMH-SZ700の基本的なところから見ていきます。DMH-SZ700は、6.78V型ワイドVGAディスプレイを搭載した2DINサイズのディスプレイオーディオです。Apple CarPlayやAndroid Autoに対応しているので、スマートフォンのナビアプリや音楽アプリを車内で使えます。BluetoothやUSB、HDMI入力などにも対応しているので、普段使いで困るような機能不足はありません。ただ、自分がこのモデルで注目しているのは、画面よりもオーディオ部分です。
ハイレゾ音源の再生に対応
DMH-SZ700は、ハイレゾ音源のネイティブ再生に対応しています。FLACやWAVのハイレゾ音源を96kHz/24bitで再生できるほか、192kHz/24bitまでのFLAC、192kHz/32bitまでのWAV、DSD64/DSD128にも対応しています。ただし、192kHzなどの高サンプリングレート音源については、再生時に96kHz/24bitのLPCMとして処理されます。それでも、FLACやWAVなどの高音質音源を車内で楽しみたい人にとっては、十分に魅力的な仕様です。自分もカーオーディオでは、単純に「ハイレゾ対応」というだけではなく、実際にどのフォーマットをどのように処理できるのかを見るようにしています。その点でDMH-SZ700は、今でも音楽再生用のヘッドユニットとしてしっかり使えるモデルです。さらにBluetoothではLDACにも対応しています。
DMH-SZ700の本命は3ウェイのネットワークモード
ここからが、自分がDMH-SZ700をおすすめしたい一番の理由です。それが3ウェイのネットワークモードです。ネットワークモードを使うと、内蔵アンプの出力をスピーカーごとに振り分けて、
- HIGH:ツイーター
- MID:ミッドウーファー
- SUB:サブウーファー
という3ウェイ構成で鳴らすことができます。普通のオーディオでは、フロント左右とリア左右というようにチャンネルを使うことが多いですが、ネットワークモードならスピーカーごとに役割を分けて制御できます。つまり、ツイーターは高域、ミッドウーファーは中低域、サブウーファーは低域というように、それぞれの担当範囲を決めて鳴らせるわけです。
クロスオーバーを自分で追い込める
ネットワークモードの良いところは、ただスピーカーを分けて鳴らせるだけではありません。それぞれのスピーカーが担当する周波数帯を、自分で調整できます。例えば、ミッドウーファーをどこまで低域まで鳴らすのか、ツイーターをどこから鳴らし始めるのか、といった設定ができます。さらにフィルターのスロープや位相、スピーカーレベルなども調整できます。カーオーディオって、スピーカーを交換しただけで「はい完成」とはいかないんです。取り付ける車やスピーカーによって音の出方が変わるので、最後はこうした調整がかなり重要になります。
タイムアライメントにも対応
そして、もう一つ重要なのがタイムアライメントです。車の運転席に座ると、左右のスピーカーまでの距離は当然違います。そのまま鳴らすと、それぞれのスピーカーから出た音が耳に届くタイミングにも差が出ます。DMH-SZ700では、この時間差を調整できます。設定範囲は0~490cmで、1.4cm刻みの調整が可能です。自分で実際にカーオーディオを調整してみると、このタイムアライメントがかなり面白いんです。数字を少し変えるだけでも、ボーカルの位置や音場のまとまり方が変わってきます。クロスオーバーと合わせて追い込んでいけば、純正状態とはかなり違った音場を作れるようになります。
内蔵アンプだけでもマルチアンプ化できる
カーオーディオを本格的にやろうとすると、DSPや外部アンプが欲しくなってきます。もちろん、外部機器を追加すればシステムの自由度は上がります。でも、最初からそこまでお金をかける必要がないのがDMH-SZ700の良いところです。ネットワークモードを使えば、内蔵アンプだけでもマルチアンプ構成を組めます。例えば、フロント2ウェイスピーカーとサブウーファーを組み合わせて、
- ツイーター
- ミッドウーファー
- サブウーファー
をそれぞれ別チャンネルから駆動できます。しかも、そこからクロスオーバー、レベル、位相、タイムアライメントを調整できます。自分で音を追い込んでいきたい人なら、これだけでもかなり遊べます。スピーカーを交換して、デッドニングをして、そのあとDMH-SZ700で調整する。これだけでも、カーオーディオを楽しむには十分なシステムになります。
音質重視ならコストパフォーマンスも魅力
最近は9インチや10インチクラスのディスプレイオーディオが増えています。大画面はナビを見るときには便利ですし、映像を楽しむなら当然メリットがあります。ただ、音質を良くするために必ずしも大画面が必要なわけではありません。DMH-SZ700は6.78V型という比較的コンパクトな画面ですが、そのぶんオーディオ機能にしっかり力が入っています。自分なら、画面の大きさよりもスピーカーや取り付け、デッドニング、そして音の調整にお金を使いたいところです。特に「外部DSPやアンプまではまだ必要ないけど、スピーカー交換後にちゃんと音を追い込みたい」という人には、DMH-SZ700はかなり相性が良いと思います。
DMH-SZ700のデメリット
ここまで褒めてきましたが、もちろん弱点もあります。
発売から6年が経過している
DMH-SZ700は2020年5月発売です。さすがに2026年の最新モデルと比べると、画面デザインや操作感などに古さを感じる部分があります。「どうせ買うなら最新モデルがいい」という人なら、あえて古いモデルを選ぶ理由は少ないでしょう。
画面は6.78V型
9インチや10インチクラスのモデルを見慣れていると、6.78V型はやっぱり小さく感じます。スマートフォンのナビをできるだけ大きく表示したい人や、映像コンテンツを楽しみたい人なら、大画面モデルのほうが満足しやすいと思います。
最新モデルのような新しさはない
DMH-SZ700は、最新のディスプレイや操作性を楽しむためのモデルというより、オーディオ機能を重視して選ぶモデルです。ここは購入前にしっかり割り切っておいたほうがいいところです。逆に言えば、「画面はそこまで大きくなくていい。それより音をしっかり調整したい」という人なら、発売年の古さはそれほど大きな問題ではありません。
DMH-SZ700がおすすめな人
ここまでの内容を踏まえると、DMH-SZ700はこんな人におすすめです。
- 音質を重視してディスプレイオーディオを選びたい
- ハイレゾ音源を楽しみたい
- 3ウェイのネットワークモードを使いたい
- クロスオーバーを自分で調整したい
- タイムアライメントで音場を追い込みたい
- 外部DSPなしでマルチアンプ化したい
- 大画面よりカーオーディオの音を優先したい
反対に、
- 大画面ディスプレイを最優先したい
- 最新モデルの操作性が欲しい
- 映像コンテンツを大画面で楽しみたい
という人なら、現行モデルを選んだほうが満足しやすいでしょう。
まとめ|音質重視ならDMH-SZ700は今でも有力候補
DMH-SZ700は2020年発売なので、2026年現在では決して新しいモデルではありません。大画面や最新の操作性を求めるなら、現行モデルを選ぶほうがいいと思います。ただ、音質を重視して見ると、DMH-SZ700は今でもかなり魅力があります。ハイレゾ音源の再生に対応しているだけでなく、3ウェイのネットワークモードによってツイーター、ミッドウーファー、サブウーファーを個別に制御できます。さらに、クロスオーバー、レベル、位相、タイムアライメントまで調整できるので、スピーカー交換後に自分で音を追い込んでいくこともできます。しかも、これを内蔵アンプで始められるのがポイントです。
自分としては、DMH-SZ700の一番の魅力は「古いけど高機能」というところだと思っています。最新モデルのような大画面はありません。でも、カーオーディオを自分で調整して、少しずつ音を仕上げていきたいなら、今でも十分に楽しめます。「ディスプレイオーディオは大画面じゃなくてもいい。それより音を良くしたい」そんな人なら、DMH-SZ700は2026年現在でも一度チェックしておきたいモデルです。
ディスプレイオーディオを選ぶときは、画面の大きさや発売時期だけでなく、「どこまで音を自分で調整できるのか」にも注目してみてください。そういう視点で選ぶと、DMH-SZ700が今でも候補に残る理由が見えてくると思います。
※ 今回、紹介したディスプレイオーディオです。
※ 後続で発売された SZ500 との比較です。

※ 使用感を紹介しています。

