前回、運転席下に設置しているシート下サブウーファーのタイムアライメントを245cmに設定しました。その後、ほかのスピーカーの設定をいじったところ、どうもサブウーファーの低音に違和感が出てきました。「前はこんな感じじゃなかったよな?」ということで、サブウーファーのタイムアライメントをもう一度見直してみることにしました。自分のシステムでは、運転席からシート下サブウーファーまでの実測距離は約120cmです。タイムアライメントの設定単位は1.4cmなので、最初は7cm刻みで設定値を変えながら、ひたすら聴き比べてみました。
120cmから少しずつ設定値を増やしてみる
まず実測距離に近い120cm。これは分かりやすく、低音が自分の真下から鳴っている感じです。まあ、実際にサブウーファーがシートの下にあるので、当然といえば当然です。そこから7cmずつ設定値を増やしていきます。すると、低音の聞こえる位置が少しずつ変わっていきました。右ドア周辺、右ドア上部、ダッシュボード右側、ハンドル右周辺、という感じで、低音が右回りに移動していきます。さらに設定値を増やして245cmまで持っていくと、今度は低音が左側へ移動しました。もちろんサブウーファーはシートの下から動いていません。タイムアライメントを変えることで、フロントスピーカーとサブウーファーの時間的な関係が変わり、低域の音像として感じる位置が変わっているようです。この中で「この辺がいいな」と感じたのが238~245cm付近でした。そこで、今度は1.4cm刻みで細かく確認してみました。そして、一番しっくりきたのが、240.8cmでした。
240.8cmって、どこから出てきた数字?
ここで、ふとフロントスピーカーのタイムアライメント設定値を確認してみました。
現在は、
右ドア:106.4cm
左ドア:134.4cm
です。
何となく足してみると、106.4+134.4=240.8cmサブウーファーで一番良かった240.8cmと、ぴったり一致します。「これ、もしかして何か関係あるんじゃない?」と思い、さらに試してみることにしました。
右TA+左TA=サブTAで試してみる
自分は、運転席から見たダッシュボード中央付近にボーカルを定位させるのが好みです。そこで、右ドアと左ドアのタイムアライメントを変更して、ボーカルの定位位置を調整していきます。そのとき、サブウーファーの設定値を、右ドアTA+左ドアTA=サブTAとなるように合わせてみました。すると、面白いことに低音の音圧感がボーカルの定位位置についてくる感じがあります。ボーカルを中心としたフロントの音像に、低音がスッとついてくる感じです。逆に、この関係を崩してサブの設定値をずらしてみると、低音の違和感を感じます。音が小さくなるというわけではありません。ただ、低音が少しぼやけるというか、聴いていて、「これはさっきのほうがいいな」となってしまいます。結局、何度か試しても、右TA+左TA=サブTAに戻ってきました。
右と左を入れ替えても、低音がついてくる
ここでもう一つ気になったので、右と左の設定値を反転させてみました。
右:106.4cm
左:134.4cm
だったものを、
右:134.4cm
左:106.4cm
に入れ替えます。
サブウーファーは240.8cmのままです。
つまり、サブの設定値は何も変えていません。それでも、フロントスピーカーの定位を変えると、低音の感じ方も一緒についてきます。これはなかなか面白いです。サブウーファーそのものの位置が変わっているというより、左右のフロントスピーカーとサブウーファーの時間的、あるいは位相的な関係が変わることで、低域全体のまとまり方が変化しているのではないかと思っています。少なくとも、自分の耳ではそう聞こえました。
実測距離にも、もう一つ面白い一致があった
さらに数字を見ていて気が付きました。右106.4cm、左134.4cmなので、平均を取ると、(106.4+134.4)÷2=120.4cmです。そして、シート下サブウーファーまでの実測距離は約120cm。ほぼ一致しています。つまり今の設定では、サブの実測距離 ≒ 右TAと左TAの平均になっています。そして、右TA+左TA=サブTAです。この関係を見ると、サブウーファーが左右フロントスピーカーの時間関係の中央付近にあることが、今回の設定結果に関係しているのかもしれません。ただし、これはあくまで自分の車で確認できた現象です。車両やスピーカーの位置、サブウーファーの設置場所、クロスオーバー周波数、フィルターのスロープ、DSPの仕様などが変われば、同じ結果になるとは限りません。「右+左=サブ」がタイムアライメントの一般法則という話ではなく、今の自分のシステムでは、この関係がうまくハマっているということだと思っています。
タイムアライメントは実測距離だけでは決まらない
ちなみにサブウーファー以外のスピーカーの設定値は、何度か測定して、その平均値を使っています。それでも、サブウーファーは実測約120cmに対して、設定値は240.8cmです。やっぱりタイムアライメントは、実測距離を入れれば終わり、というものではないですね。もちろん実測は大事です。でも、最終的には実際に音を聴いて、スピーカー同士の時間的な関係がどうなっているのかを確認しながら調整する必要があるはずです。特に今回のようなシート下サブウーファーでは、実測距離とはかなり違う設定値が良い結果になることもあります。
現在は、ボーカルをダッシュボード中央付近に定位させるためにフロントスピーカーのタイムアライメントを調整して、変更したときは、右TA+左TA=サブTAのルールでサブウーファーも合わせています。理屈を完全に説明できるところまでは来ていません。でも、実際に聴いてみると、この方法が一番自然です。そして、ボーカルの定位を変えても低音が自然についてくる。今のところ、自分のシステムでは、右+左=サブ。これが一番しっくりきています。
※ 前回の記事はこちらです。

※ 音の位相についてまとめています。

