前回は、「なぜコンデンサーで低音がカットできるの?」という疑問から、ハイパスフィルターの仕組みを調べてみました。コンデンサーには、高い周波数ほど電気を通しやすくなる性質があり、その特徴を利用してツィーターには高音だけを送っていることが分かりました。そのあとに別の疑問が…。じゃあ、ローパスフィルター は何を使っているんだろう?ネットワークを見ると、ウーファー側にはコンデンサーではなく、銅線をぐるぐる巻いたコイルが付いています。それくらいは知っていましたが、実際に何をしている部品なのかはよく分かっていませんでした。気になったので、調べてみました。
ローパスフィルターの主役はコイル
調べてみると、ローパスフィルター で使われているのはコイルでした。ハイパスフィルターがコンデンサーなら、ローパスフィルター はコイル。正反対の立ち位置です。ローパスフィルター は、高音を減らして低音だけを通す回路です。カーオーディオでは、ウーファーやサブウーファーに余計な高音を送らないために使われています。つまり、ウーファー側に付いているコイルは、高音をカットする役割をしているということになります。
コイルってどんな部品?
コイルは、銅線を何重にも巻いて作られた部品です。ネットワークを開けると一番目立つ部品なので、見たことがある人も多いと思います。見た目はシンプルですが、調べてみると意外と面白い性質を持っていました。コイルには電流が急激に変化することを妨げる性質があります。音楽信号は交流なので、電気は常に変化しています。低音はゆっくり変化し、高音になるほど変化が速くなります。コイルは、この「速い変化」を苦手とする部品でした。そのため、ゆっくり変化する低音はほとんどそのまま流れますが、高音になるほど流れにくくなります。これが、高音だけをカットできる理由です。
コイルは高音を選んで止めているわけじゃない
最初は「コイルが高音だけを判別して止めているの?」と思っていました。でも調べてみると、そういう仕組みではありませんでした。コイルには「リアクタンス」という性質があり、この値は周波数が高くなるほど大きくなります。つまり、低い周波数では電気が流れやすく、高い周波数になるほど流れにくくなる、という性質を持っています。だから結果として、高音だけが小さくなっていくわけです。コイル自身が高音を選んでいるわけではなく、部品の性質によって自然とそうなるということですね。
コイルの大きさにもちゃんと意味がある
ネットワークを見ると、コイルの大きさは製品によってさまざまです。最初は「大きい方が性能がいい?」くらいに思っていました。でも、これも調べてみると違いました。コイルには「mH(ミリヘンリー)」という値があり、この値によって高音をカットし始める周波数が変わります。大きいコイルほど、より低い周波数から高音を減らし始めます。逆に小さいコイルなら、もっと高い周波数まで再生できます。つまり、コイルの大きさや巻き数にはちゃんと意味があり、メーカーはスピーカーに合わせて最適な値を選んでいるということです。見た目だけでは分からない部分ですが、知ると面白いですね。
コンデンサーとコイルはセットで考えると分かりやすい
今回調べていて一番面白かったのは、コンデンサーとコイルの関係です。前回調べたコンデンサーは、高音ほど電気を通しやすくなる部品でした。だから低音をカットして、ツィーターへ高音だけを送ることができます。一方、今回調べたコイルは、高音ほど電気を通しにくくなる部品です。だから高音をカットして、ウーファーへ低音だけを送ることができます。ネットワークは、この2つの部品の特徴を上手く利用して、それぞれのスピーカーに必要な音だけを届けているんですね。
調べてみて思ったこと
コンデンサーもコイルも、見た目はただの電子部品です。でも、それぞれが持っている性質を利用することで、スピーカーの役割をきちんと分けていることが分かりました。こうして一つずつ調べていくと、「何となく付いている部品」だったものが、「ちゃんと意味があって使われている部品」に変わっていくのが面白いところです。カーオーディオは音を楽しむ趣味ですが、少しだけ仕組みを知ると、ネットワークの中身や部品選びまで興味が広がってきます。まだまだ知らないことばかりですが、これからも気になったことは一つずつ調べながら、自分なりに理解を深めていこうと思います。
