カーオーディオの正相・逆相を計算(3)|ミッドバス/サブウーファーのクロスを検証

カーオーディオの正相・逆相を計算(3) なんちゃって3WAY

今回は、ミッドバスとサブウーファーのクロス設定を見直してみました。これまで自分のシステムでは、ミッドバスのTS-C1730SIIを50 Hz・−24 dB/oct.でハイパスしていました。サブウーファーのTS-WX140DAは50 Hz・−12 dB/oct.のローパスです。この設定でも特に問題はなかったのですが、ふと「TS-C1730SIIの低域を、もう少し活かしてもいいんじゃないか?」と思いました。そこで今回は、ミッドバスのハイパスを−24 dB/oct.から−12 dB/oct.へ変更して、実際に測ってみます。

今回確認したいのは、

  • TS-C1730SIIの低域をもう少し活かせるか
  • 低域のステレオ感を残せるか
  • ミッドバスとサブウーファーを50 Hzでうまくつなげられるか

この3点です。

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まずは変更前の設定です

変更前はこんな設定でした。

MID:TS-C1730SII

  • 極性:正相
  • HPF:50 Hz
  • スロープ:−24 dB/oct.

LOW:TS-WX140DA

  • 極性:逆相
  • LPF:50 Hz
  • スロープ:−12 dB/oct.

MIDだけ−24 dB/oct.なので、50 Hzより下に行くほどTS-C1730SIIの音は急激に減っていきます。これはこれでサブウーファーに低域を任せやすい設定です。ただ、自分としては「せっかくミッドバスがあるんだから、もう少し下まで使ってみてもいいのでは?」という気持ちが出てきました。そこで、MIDだけ−12 dB/oct.に変更します。

−24 dB/oct.と−12 dB/oct.を測ってみました

今回比較したのは、TS-C1730SIIの50 Hz HPFです。まずは−24 dB/oct.。そして、同じ50 Hzのままスロープだけ−12 dB/oct.に変更しました。測定してみると、思ったより分かりやすい違いが出ました。

−24dB/oct.と−12 dB/oct.を測ってみました

−12 dB/oct.にすると、低域側が若干伸びています。特に40~80 Hz付近で違いが見られ、50~63 Hzあたりでは−24 dB/oct.よりレベルが高くなりました。一方で、25~31.5 Hz付近はほとんど変わりません。なので、「−12 dB/oct.にしたら超低域まで一気に伸びた」という感じではありません。むしろ、50 Hz付近から下のTS-C1730SIIの音を、もう少し残せるようになったという結果です。

低域を全部サブウーファーに任せなくてもいい

今回−12 dB/oct.を試した理由は、単純に「低音を増やしたい」というだけではありません。自分が気になっていたのは、低域のステレオ感です。サブウーファーは基本的に車の中央付近に定位させるユニットなので、低域をほぼ全部サブウーファーに任せてしまうと、ミッドバスが持っている左右の情報も早い段階で減ってしまいます。そこで、TS-C1730SIIを50 Hz・−12 dB/oct.にして、50 Hz付近にも左右のミッドバスを残します。その下をTS-WX140DAで補ってもらいます。

イメージとしては、
TS-C1730SII:左右の低域情報を担当
TS-WX140DA:さらに下の低域を補完
という分担です。

低域を全部サブウーファーに押し付けるのではなく、ミッドバスにも少し頑張ってもらうわけです。

じゃあ極性はどうする?

ここで今回のテーマでもある「正相・逆相」が出てきます。

最終的には、MID:正相LOW:逆相としました。

クロスはどちらも50 Hz・−12 dB/oct.です。2次フィルターでは、クロス周波数付近で位相が回転します。そのため、理論上のフィルター特性だけを見ると、極性を反転させることでクロス付近のつながりを作りやすくなります。実際に聴いて、今の状態で良好なので、TS-C1730SIIを正相、TS-WX140DAを逆相とすることにしました。

今回の最終設定

ということで、ミッドバスとサブウーファーはこの設定でいきます。

チャンネル ユニット 極性 フィルター
MID TS-C1730SII 正相 HPF 50 Hz −12 dB/oct.
LOW TS-WX140DA 逆相 LPF 50 Hz −12 dB/oct.

まとめ

今回、TS-C1730SIIのHPFを50 Hz・−24 dB/oct.から−12 dB/oct.へ変更して比較しました。測定結果では、40~80 Hz付近が若干伸びました。劇的な変化ではありませんが、TS-C1730SIIの低域を必要以上にカットせず、50 Hz付近の左右の情報を残すという意味では、なかなか良い結果です。

最終的には、
TS-C1730SII:正相/50 Hz HPF・−12 dB/oct.
TS-WX140DA:逆相/50 Hz LPF・−12 dB/oct.
でいくことにしました。

今回は「低域をもっと出したい」というより、ミッドバスとサブウーファーの役割をもう一度見直したという感じです。

計算上の理屈だけで決めるのではなく、設定を少し変えて実際に測ってみる。こうした試行錯誤も、カーオーディオの楽しさですね。

※ 1回目と2回目の記事も読んでください。

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